富士山のイメージとして、冠雪した姿を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
一方で、夏にしかできない富士山の楽しみ方といえば富士登山です。

「夏の富士山は雪が降るの?」
「富士山は夏にも雪が積もっているの?」
「日本一高い富士山に登山してみたいけどできるかな?」
「富士山を見に行きたいけど夏の楽しみ方は?」

この記事では、夏の富士山を満喫する方法を、富士登山を中心に紹介します。

多くの人で賑わう夏の富士山。
富士登山の際には注意すべき点もありますので、あわせてご確認ください。
LINE

富士山の雪はいつまで降るの?

富士山は日本一の高さを誇る山です。
標高3,776m、当然のことながら標高が上がるにつれ気温が下がります。
富士山の雪は、その年によって状況は異なりますが、雪解けが遅い年には開山直前の6月ごろでも八合目付近まで冠雪していることもあります。
稀に山頂の気温が低い時などは、夏でも雪が降ることが知られています。
そして、夏が過ぎ、9月に入ると初冠雪を観測することも珍しくありません。
富士山の夏は、7月から8月の2か月間程度で、麓や平地に比べ短い夏となっています。

富士山の初冠雪についての記事はこちら

富士山には夏にも雪があるの?

標高が高く、夏も気温が低い富士山の頂上付近では万年雪と呼ばれる溶けない雪が残る場所があります。
しかし、前年の降雪量やその年の気温によって状況が変わってくるため、必ずしも夏の登山シーズンに雪が見られるというわけではありません。
実は富士山頂に残雪が少ない時期は、夏が終わった9月ごろで、8月に溶け残っていた雪も9月になるとほとんどが溶けてなくなります。
ただし、気温が下がると夏でも降雪することがあり、富士山に雪のない時期というのは本当に短いのです。

富士登山が楽しめる富士山の夏

富士山は例年7月~9月上旬の2か月間のみ開山します。
この期間に富士山を訪れる人数は、2022年は16万人ほどを数えました。
ここからは、夏の富士登山の魅力や特徴をご紹介します。

富士登山のベストシーズン

登山道が開通する夏が富士登山のベストシーズンです。
この時期は残雪も少なく気温も高くなるため、登山経験が少ない、また初心者の人でも富士登山にチャレンジすることができますが、お盆の前後や週末などは大変混み合い、富士山頂に向かう登山道には行列をなすこともしばしば見られます。
開山期間中でも、登山客が比較的少ない梅雨明け後の7月下旬から、お盆前までが一番ベストな期間と言えるでしょう。
富士登山は初心者でも気軽にトライできるというイメージを持っている人もいるかと思いますが、実際は日本一高い山に登るわけですから、初心者にやさしいと言い切ることはできません。
しかし、各ルートの登山道が整備されているため、十分に体力を蓄えてしっかり準備をすれれば、頂上を目指すことができる開かれた山でもあります。
また、登山道以外にも、富士山五合目周辺にはハイキングコースが整備されています。
山頂まで登る自信がない人でも、こうしたハイキングコースを利用することで、富士登山の気分を味わうことができます。

標高によって夏と冬が体験できる

富士山の山頂の気温は夏でも低く、氷点下になることもあります。
平均気温についてはこの後で詳しく説明しますが、登山口付近は暑くても、頂上まで登ると冬のような気温になります。
また、風が強く、遮るもののない登山道や山頂では、夏でも風速10m程の風が吹きます。
夏の登山シーズンでも、天候によっては山頂の気温が氷点下に近くなることもあり、夏山登山でありながら、冬を体感できるダイナミックな登山を楽しめます。
その一方で、激しい気温差や強風、気圧の違いなどに備えることが重要です。
富士登山の注意点についても、このあと詳しく解説しますので参考にしてください。

夏の富士山登山の注意点

日本最大の独立峰である富士山の美しい姿に、登ってみたいという気持ちをかき立てられる人もいるでしょう。
しかし、富士山は日本一高い山であり、それだけ注意すべき点も多くあります。
ここからは、富士登山で注意しておくべき点をご紹介します。

十分な準備をすること

夏の富士登山は、誰もが気軽に楽しめると思いがちですが、十分な準備が欠かせません。
まず、標高3,776mという高さを登るための体力をつけておくことが何より大切です。
富士山の登山道は、五合目から登る場合で10km以上になるルートもあり、この間におおよそ1km~2kmの高低差を詰めていくことになります。
さらに、平地では30度以上あるような暑い時でも、山頂では10度以下という寒さになることがあります。
普段からウォーキングやトレッキングなどで体力をつけておき、天候や気圧の変化に対応できる装備を整えましょう。
観光気分のハイキングではなく、水や食料、雨具や防寒具など、十分な対策が必要です。
また、富士山の登山道では山小屋などのトイレが有料となっています。
小銭も忘れずに持っていくようにしましょう。
富士登山に必要な装備については、こちらのページを参考にしてください。

富士登山には準備が必要!安全な富士登山のために知っておくべきこと

気象情報を確認すること

(気象庁「富士山平年値」を参照し作成)

富士山が開山する7月から9月の間、最低気温の平均が2〜3度程度しかなく、富士山頂は真冬の天候となります。
さらに、この時期は台風シーズンでもありますので天候には注意が必要です。
台風はもちろんですが、前線や低気圧の通過などでも危険が伴います。
状況によっては登山道の一時閉鎖もあり得ますので、富士登山の計画を立てる際は気象情報をしっかりチェックしましょう。
「山の天気は変わりやすい」とよく言いますが、登山前日までの天気予報と、当日登り始めてたら急に天候が変わるということもよくあります。
せっかく富士登山に来たけど悪天候だった、という時には無理をせず中止するという決断も必要です。また、万一に備えヘルメットなどの装備も用意した上で臨みましょう。

登山ルートを把握すること

富士山には4つの登山ルートがあります。
いずれも五合目付近が出発点となっていて、各ルートごとに色分けされた案内表示がされています。
コース別のカラーとコースの特徴をまとめると以下の通りです。

コース名コースカラー
(標識の色)
標準登山時間
(登り)
標準登山時間
(下り)
利用者数
(令和3年)
吉田ルート黄色約6時間約4時間5万4,392人
須走ルート緑色約6時間約3時間6,411人
御殿場ルート赤色約7時間約3時間6,336人
富士宮ルート青色約5時間約3時間1万1,409人
富士登山オフィシャルサイトを参照し作成)

山小屋などの設備が充実しアクセスが良い吉田ルートと所要時間が比較的短い富士宮ルートが人気があり、登山者数が集中しています。
しかし、富士宮ルートは、登山道の距離が一番短く最短ルートとされていますが、登山道が急で岩場が多いため、注意が必要です。
登りやすいとされていて、山頂付近では渋滞が起こることもあるので注意が必要です。
また、山小屋やトイレなどの利便性が良い吉田ルートは、初めての富士登山という人にもおすすめですが、吉田ルートと須走ルートが交差する本八合目から山頂の間で渋滞が起こることもあるので注意しましょう。
あわせて、下山時に各ルートの分岐を間違えてしまうトラブルも起きていますので、コースカラーを覚えておくと安心です。

標高に対応した飲食と休憩をとること

登山中、高度が上がるにつれ、高山病のリスクが高まります。
富士登山の途中で体調が悪くなり、途中で断念するケースで最も多いのが高山病です。
回避するためには水分補給をこまめに行うことや、登山開始前に五合目で休息をとりある程度高度に体を慣らしてからスタートすることが有効です。
高山病を発症すると、下山して高度を下げる以外に対処法がありません。
具合が悪いと感じたら、少し休憩して水分や糖分を摂り、改善しないようであれば無理せず中断して下山することが一番安全です。
また、気温が低く風も強いことから、低体温症にかかってしまうケースもあります。
防寒対策をしっかりして臨むようにしましょう。
なお、富士山の登山道には水場や水道などはありません。
水分補給用のお水は、各自で十分な量を用意する必要があります。

環境に配慮すること

富士山は2013年に「信仰の対象と芸術の源泉」というテーマで世界文化遺産に登録されました。
もともと富士山は世界自然遺産としての登録を目指していたのですが、環境保全に問題があり登録することができませんでした。
登山道や山小屋の周りでのし尿処理の問題や、裾野エリアのゴミ投棄などが問題となってしまったのです。
世界文化遺産に登録を果たしたのちは、よりいっそう環境保全への動きが大きくなり、状況は改善されています。
これから登山をしようと思っている人も、ゴミは必ず持ち帰り、トイレは決められた場所で行うといったマナーを十分に守って楽しみましょう。

登山のあとは温泉でまったり

富士登山で登頂を果たした時の気分は、何物にも変えがたい感動があります。
そんな素敵な体験をした後は、温泉につかって疲れた体をリフレッシュさせるのはいかがでしょうか。
富士山周辺の温泉が楽しめるスポットをご紹介します。
登山の帰りにぜひ立ち寄ってみてください。

富士眺望の湯ゆらり

日帰り温泉の富士眺望の湯ゆらりは、富士山の勇姿を堪能しながら温泉を楽しむことができ、16種類のバリエーション豊かな湯船が魅力の温泉です。
山梨県側の吉田ルートでの登山の際に立ち寄ることができます。
サウナやパノラマ風呂、炭酸泉や香り風呂など、登山の疲れを癒せるお風呂でゆっくりした後は、囲炉裏がある個室の食事処で山梨名物のほうとう鍋を味わうのもおすすめです。
さらにフットマッサージやタイ古式マッサージも受けられるので、登山の疲れた体を芯からほぐすことができます。
温泉、グルメ、ボディケアとすべて揃った環境でリラックスして、疲れを癒してください。

富士眺望の湯ゆらりについて

  • 住所   山梨県南都留郡鳴沢村8532-5
  • TEL    0555-85-3126
  • 料金   大人:平日1,400円、土日祝日1,700円 子ども:平日750円、土日祝800円
  • 営業時間 平日10:00〜21:00、土日祝10:00〜22:00
  • 定休日  年中無休
  • 駐車場  130台(無料)
  • アクセス (車)中央道河口湖ICより車で約10分
  •      (電車・バス)富士急行線河口湖駅より約20分、送迎バスあり
  • ホームページ https://www.fuji-yurari.jp/

富士緑の休暇村

富士緑の休暇村は、富士眺望の湯ゆらりと隣接した温泉宿泊施設です。
こちらにも富士山を間近に見据えた露天風呂があり、心ゆくまでリラックスできます。
富士登山の後は宿泊してゆっくりしたいという人は、こちらの利用がおすすめです。
富士眺望の湯ゆらりのお風呂も利用できますので、温泉三昧が楽しめます。
お部屋は和室中心で、富士山が一望できるお部屋が人気です。
富士桜ポークや甲州牛のお食事も、登山の後のスタミナ補給に最適です。
さらにサイクリングやウォーキングのツアーも豊富に揃っているので、ゆっくり滞在して夏の富士山周辺の魅力も味わい尽くすことができます。

富士緑の休暇村について

  • 住所   山梨県南都留郡鳴沢村字ジラゴンノ8532-5
  • TEL    0555-85-2236
  • 駐車場  あり(無料)
  • アクセス (車)中央道河口湖ICより車で約10分
  •      (電車・バス)富士急行線河口湖駅より約20分、送迎バスあり
  • ホームページ https://www.kyukamura.jp/

夏の富士登山にマイカーで行ける?

「富士登山に行きたいけど、荷物が多いからマイカーで行けるといいな」と考えている人も多いのではないでしょうか。
きちんとした登山装備を整えると、たしかに結構な荷物になってしまいます。
かといって、電車やバスで移動するとなると、到着までに疲れてしまう恐れもあります。
夏の富士山は、例年マイカー規制(御殿場ルート以外)が実施されますが、麓まではマイカーでいくことは可能です。
マイカー規制期間中の7月中頃~8月末までは、周辺のパーキングからシャトルバスで登山口がある五合目に向かいましょう。
各登山道ごとに利用できる周辺パーキングをご紹介します。

富士山パーキング

山梨県側の吉田ルートを利用する場合は、富士山パーキング(富士北麓駐車場)を利用します。
観光案内所も併設された広いパーキングで、富士山周辺の観光情報や一部施設の割引券なども入手可能です。
「富士山パーキング」の詳細はこちら

須走多用途広場

須走ルートを利用する時は、須走多用途広場の仮設駐車場を利用します。
もともとは名前の通り多目的広場となっていて、富士山のマイカー規制期間中のみシャトルバス乗り場として機能しています。
規制期間については、シーズン中は静岡県のサイトから確認が可能です。
「静岡県富士山マイカー規制」はこちら

水ヶ塚駐車場

富士宮ルート利用の際には、水ヶ塚駐車場からシャトルバスに乗ることができます。
こちらも規制期間や駐車場の詳細については、富士宮市のサイトを参考にしてください。
「富士宮市 富士山スカイラインマイカー規制」はこちら

まとめ

冠雪した富士山の姿は、神々しさを感じるような美しさがあります。
一方、夏の雪がない富士山にはダイナミックな魅力があり、そしてなにより夏の富士山は富士登山が楽しめます。
富士登山は信仰の対象にもなっていて、開山中に何度も登るという人もいるほどで、その魅力は計り知れません。
富士山は日本一の高さを誇り、周囲に何もない独立峰のため、気象条件が厳しいという特徴があります。
夏でも山頂付近は氷点下になることもあり、真冬のような天候になることもあります。
富士山の雪が溶ける短い夏の間に、一度は富士山の頂上に立ってみるという体験をしてみてはいかがでしょうか。

関連施設

富士眺望の湯ゆらり

富士眺望の湯ゆらり

眼前に広がる雄大な富士山の眺めを楽しめる日帰り温泉です。開放感抜群の「霊峰露天風呂」や溶岩洞穴を模した「洞窟風呂」など、富士山の眺望と趣向を凝らした16種類のお風呂が楽しめます。

富士緑の休暇村

富士緑の休暇村

富士山観光の拠点としてご利用いただける大型宿泊施設。人工芝グラウンド2面をはじめ、体育館やフットサルコート、セミナー室を完備した総合レクリエーション施設として合宿や各種研修などに利用できます。河口湖方面にも本栖湖方面にもアクセス抜群です。

富士山パーキング

富士山パーキング

富士登山シーズンのマイカー規制期間中、富士山五合目へ向かうシャトルバスに乗り換えるための大型駐車場です。オフシーズンには、富士山を望む芝生広場で様々なイベントや催し が開催されます。

LINE

ライター紹介

ume