富士山について
富士山の山開きは?
富士山で登山ができるのは、開山期間中です。
富士山の開山時期は夏で、冬場は基本的に登山はできません。
富士山の山開きは例年7月上旬ですが、登山口によって山開きの日程が変わるため、事前に確認しましょう。
2023年の富士山の開山日は、山梨県側の吉田ルートが7月1日、静岡県側の須走、御殿場、富士宮ルートは7月10日です。
富士山の気温は?
富士山の登山シーズンは夏ですが、夏でも気温が低いということを知っておきましょう。
理論上では、標高が100m上昇するごとに気温は0.6℃下がります。
富士山の標高は剣ヶ峰で3,776mありますので、単純計算でも山麓に比べて22℃〜23℃ほど低いということになります。
さらに、富士山の登山道や山頂は風も強く、体感温度が下がります。
登山口のある五合目の気温が15℃程度と秋の陽気で、山頂では5〜8℃程度となります。
夜間はさらに気温が下がり、天候によっては夏でも氷点下になることがあるほどです。
富士登山に最適な服装や装備は?
富士登山時の基本的な衣類一覧
まずは衣類をチェックしていきましょう。
寒いだけではなく、急な雨や登山によってかいた汗などへの対応もできるよう準備が必要です。
吸湿速乾性のアンダーウェア(下着)
富士山に限らず登山をする場合、アンダーウェアは吸湿速乾性のものが理想的です。
険しい山道を登っている時や、好天で日差しが強い時は、気温が低くても汗をかきます。
また、急な雨で雨具を身につける間に少し濡れてしまったという場合にも威力を発揮します。
吸湿速乾性ではないウェアを着ていると、濡れた衣服が乾きにくいだけでなく、乾く際に気化熱で体温を奪う恐れもあります。
さらに、登山中は着替えたりお風呂に入るチャンスがほとんどありません。
汗が蒸発していと、匂いの原因にもなり不快感を感じてしまうこともあるでしょう。
吸湿速乾性の長袖Tシャツ
気温に合わせて脱ぎ着するアウターは、長袖Tシャツタイプの吸湿速乾性のあるものがおすすめです。
夏の富士山は、木や遮蔽物など日差しを遮るものがなく、天気が良ければ日差しを浴びることになるため、日焼け対策としても長袖が有効です。
こちらも吸湿速乾性のあるものを使うことで、匂いや蒸れなどを防ぐことができます。
着脱可能な薄手の防寒着
アンダーウェアやTシャツの上に重ねられる防寒着としてシャツやジャージなどを準備しておくと、細かく温度調整ができます。
山頂では冬装備が必要でも、登山の途中は意外と暑さを感じることもあり、簡単に脱ぎ着ができる形状のものがおすすめです。
厚手の防寒着
厚手の防寒着は、天候に関係なく必須アイテムです。必ず準備してください。
持ち運びの面から考えても、薄手の防寒着と厚手の防寒着を重ねることで、しっかりと寒さ対策ができるように組み合わせを考えるとよいでしょう。
登山用の防寒着は軽量でコンパクトに折りたためるので、荷物の軽量化にもつながり便利です。
動きやすいパンツ(ズボン)
パンツは必ずしも登山用のものを準備する必要はありませんが、ジーンズなどの綿製品は避けるようにしてください。
防寒面で問題がなければ半ズボンタイプのものにタイツやスパッツなどを合わせても動きやすく便利です。
登山では普段の歩き方と違い、足首や膝の曲げ伸ばしが多くなります。
動きやすく、膝を曲げても張り付いたり引っ張られたりしないものがおすすめです。
厚手の靴下
靴下は厚手のものを選ぶことで靴擦れのリスクを減らすことができます。
厚手の靴下は、しっかり足をホールドしてくれるので、歩きやすさも向上します。
ただし、防臭性や汗を発散する働きが悪くなりますので、替えの靴下を持っていきましょう。
登山用のものであれば、吸汗機能があるものもありますので参考にしてください。
登山靴
登山靴やトレッキングシューズは、捻挫の予防にもなるため、ミドルカットやハイカットのものを選ぶことをおすすめします。
必ず足に合ったものを履くようにして、レンタルする場合も、事前にしっかり試着してから決めるようにしてください。
防水加工がされているものでないと、雨の時などに足が濡れ、転倒や靴擦れの原因となります。
手袋
手袋やグローブは、防寒面や日焼け予防、怪我の防止となど様々な面で役立つアイテムです。
好天時の低山登山であれば、滑り止め付きの軍手などでも十分ですが、富士登山では防水グローブを用意したほうが安心です。
ご来光を見るのであれば、防寒性能が高いものを選ぶようにしてください。
帽子
標高があがるにつれ、気温は低くても日差しは強烈です。
紫外線も地上より強いため、帽子は必ず被りましょう。
日除けができるハットタイプのもので、ツバにある程度硬さがあるほうが便利です。
富士山では風が強いので、飛ばされないように、顎紐がついているものを使うようにしてください。
絶対に必要な持ち物一覧
服装に続いて、必要な持ち物をご紹介します。
ここから説明するアイテムは、富士山登山では必須と思って準備しておくことがおすすめです。
レインウェア
雨風をしのぐためのレインウェアは必須アイテムです。
山の天気は変わりやすいので、天気予報が晴れ予報だとしても必ず持っていきましょう。
富士登山では雨が横から殴りつけたり、時には下から噴き上げてくることもあります。
上下セパレートタイプで、風に煽られないようベルトなどで固定できるものがおすすめです。
登山用のザック
着替えやレインウェアなどを収納するザックの容量は、20〜30Lを目安に選ぶことをおすすめします。
普段使うものであればジッパーオープンのものを選びがちですが、登山に使うものは雨よけの蓋がついているほうが向いています。
さらに、背面にフレームが入った腰で背負うタイプのものにすると、体への負担や下山の際の負担を減らすことができます。
タオル
汗を拭いたり首元の日焼け防止に巻いたり、マフラーがわりに防寒したりと、タオルの使い道はたくさんあります。
2〜3枚は持っていくようにしましょう。
かさばるのが気になる場合は、日本手ぬぐいを使うのもおすすめです。
紫外線対策
標高が高くなるほど、紫外線は増加します。
このため、目や肌の紫外線対策として、サングラスや日焼け止めがあると安心です。
長袖やグローブで肌はガードできているという場合でも、目への影響を防ぐためにサングラスは持って行ったほうがいいでしょう。
紫外線カット加工がされているもので、視界が確保できるものを選んでください。
ヘッドライト
富士登山でご来光を拝む方には必須のアイテムです。
富士山には当然ながら街灯などはありませんので、ヘッドライトがないと暗くて歩けません。
山小屋に泊まる方も、小屋の消灯後は真っ暗になりますので、ヘッドライトを持っていないと不便です。
多くのモデルで光量調節ができますので、最大光量がなるべく大きいものを選ぶことをおすすめします。
ゲイター
登山スパッツやレインスパッツとも言われるゲイターも必要です。
とくに須走ルートや御殿場ルート、プリンスルートを利用する場合は、下山時に大砂走を通りますので、必須アイテムとなります。
靴の中に砂や小石などが入ることを防いでくれるので、安心して登山・下山ができるお助けアイテムです。
飲み物
登山中は1日あたり1.5〜2リットル程度の水分補給が必要です。
トイレがない環境なので控えてしまいがちですが、脱水や熱中症、高山病のリスクが高まるため必ず適度な水分補給をしましょう。
お水やお茶などを水筒に入れてもいいですし、潰せるペットボトルタイプなら飲み終わった後の荷物をコンパクトにできます。
食事・おやつ
富士山に登ると大体3,000kcal〜4,000kcal程度消費するといわれています。
登山中はこまめな栄養補給が欠かせません。
普段の生活のような朝食、昼食、夕食という食べ方ではなく、行動食的に空腹になる前に少しずつこまめに食べることをおすすめします。
食後すぐ動くことになるので、消化の負担にならない、油っぽさのないものが向いています。
衛生・洗面用品
富士登山をはじめると、基本的に水道はありません。
山小屋に泊まる際にも、洗顔や歯磨きは手持ちの水で行います。
環境保護の観点から石鹸や歯磨き粉なども使えないため、アルコールティッシュや歯磨きシートなどを準備しておきましょう。
食事時に手を拭くなどにも使えるので、ウェットティッシュは少し多めに持っておいたほうが安心です。
保険証・免許証
不測の事態に備えて、健康保険証や運転免許証は携帯するようにしましょう。
富士山には高山病や怪我などを無償で処置してくれる救護所もありますが、体調不良で下山した場合などは山麓の病院に行くことになります。
たとえば万が一転倒して意識を失ってしまった場合には、免許証を携帯していれば身元証明となり、家族への連絡などもスムーズになります。
使わないに越したことはありませんが、必ず携帯しましょう。
小銭(100円玉)
登山中のトイレのチップや山小屋での買い物、山小屋に泊まる宿泊費など、お金の準備はそれなりに必要です。
登山中は現金払いがほとんどですし、トイレチップなどを考えると、小銭も多めに準備しておきましょう。
ビニール袋
濡れてしまったタオルや靴下、着替えなどを入れるためのビニール袋は2〜3枚持っておくと安心です。
小さい袋よりは、スーパーのレジ袋のようなある程度大きめのものがおすすめです。
濡れたものを入れる可能性を考えて、穴が空いていないかは事前にチェックしておきましょう。
あると便利な持ち物一覧
必須アイテムの他にも、できれば準備したほうがいい装備もあります。
あると安心なおすすめアイテムをご紹介します。
ヘルメット
富士山に登る人の中にも、ヘルメットを着用する人が増えてきています。
ヘルメットがあると、転倒してしまった時や落石があった時に頭部を守ることができます。
なによりも、富士山が火山であるということから必要性を感じている人が多いようです。
トレッキングポール
体力や脚力にあまり自信がないという方は、トレッキングポールがあると役に立ちます。
負担の分散だけでなく、バランスも取りやすくなり、転倒リスクも下げることができるアイテムです。
使い慣れるのには少し時間がかかることもありますので、事前に準備して練習しておくことをおすすめします。
薬やテーピング
ちょっとした怪我や頭痛などに対応できる薬や絆創膏、テーピングなどを持っているといざという時安心です。
とくに下山時にはバランスを崩して転倒したり、岩に手をついた時に擦りむいてしまうことがあります。
絆創膏は少し多めに持っていてもいいでしょう。
また、下山道などで砂埃が発生することがありますので、マスクも持っていくことをおすすめします。
使い捨てカイロ
山小屋で寝る時や、ご来光を待つ時などに防寒装備プラスアルファとして、使い捨てカイロもおすすめです。
基本の防寒は衣類で調整するのが理想ですが、じっとしている時にはあるとホッとするでしょう。
揉まずに貼るタイプのものが適しています。
携帯用バッテリー
ヘッドライトやスマートフォン、デジカメの予備電池やバッテリーはほぼ必須アイテムと言ってもいいでしょう。
山小屋にコンセントはあるものの、登山客は使えませんので、予備電源は自分で準備してください。
地図・コンパス
富士山では登山ルート別に色分けされた道標が表示されています。
しかし、途中で分岐や合流もあり、場所によっては複雑です。
ルートマップは必ず携行しましょう。
富士山の場合、紙の地図の他に登山アプリもあり、GPS機能で現在位置を確認しながら登ることも可能です。
地図の種類は豊富なので、使いやすさや見やすさを考慮して選ぶといいでしょう。
スマホのバッテリー切れに備えて、アナログのコンパスも持っていくと安心です。
耳栓
山小屋に泊まる際は耳栓やアイマスクを持っていると安心です。
慣れている方でしたら問題ないかもしれませんが、初めての場合は大勢で雑魚寝する環境でうまく眠れないこともあります。
耳栓で騒音を防いだり、イヤホンで音楽を聞いたりすると落ち着いて眠れるかもしれません。
現地でのレンタルは可能?
富士登山には多くの装備や道具が必要になります。
これから何度も登山をしたいと考えているのであれば、少しずつ購入して揃えていくのがおすすめです。
自分に合った道具を使い慣らしたほうが、格段に登山しやすくなります。
ただし、普段登山をあまりしない方は、レンタルで済ませるという方法もあります。
富士山の周辺には、登山道具をレンタルしてくれるショップが数多くあります。
どんな道具が借りられるか、事前に試せるかなど、リサーチしてから準備を進めましょう。
富士山に行くなら押さえておきたい周辺施設
富士山パーキング
富士山パーキング
- 住所 山梨県富士吉田市上吉田字剣丸尾5597-84(東富士五湖道路富士吉田IC東隣)
- TEL 0555-72-9900
- 施設案内 駐車場(駐車台数1,400台)、観光案内所、トイレ
- 営業時間 4月1日~11月30日 9:00~17:00 ※マイカー規制中は24時間、観光案内所は18時までの営業
- 駐車料金 マイカー規制期間中のみ自動車1台1回につき1,000円(二輪自動車125cc超を含む)その他期間は無料
- WEB https://www.fujisanparking.jp/
富士眺望の湯ゆらり
富士眺望の湯ゆらり
- 住所 山梨県南都留郡鳴沢村8532-5
- TEL 0555-85-3126
- 料金 大人:平日1,400円、土日祝日1,700円 子ども:平日750円、土日祝800円
- 営業時間 平日10:00〜21:00、土日祝10:00〜22:00
- 定休日 年中無休
- 駐車場 130台(無料)
- アクセス (車)中央道河口湖ICより車で約10分
- (電車・バス)富士急行線河口湖駅より約20分、送迎バスあり
- WEB https://www.fuji-yurari.jp/