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標高3776メートルと、日本一の高さを誇る富士山。2013年に世界文化遺産に登録され、いまでは多くの旅行者が訪れる日本屈指の観光スポットとなっています。
今回はそんな富士山の歴史をご紹介します!日本一高い富士山の火山としての歴史や世界遺産に登録された背景など、富士山の歴史を詳しく見ていこうと思います!
興味がわいた人のために、河口湖周辺で富士山の歴史をより深く知ることができる観光施設や博物館もあわせて紹介しますよ!
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火山としての富士山の歴史

【過去に起きた火山活動・噴火について】
富士山は現在、大きな火山活動は行われていないものの、過去には大噴火を繰り返した歴史を持つ活火山です。西暦800年以前から1707年にかけて火山活動が行われており、なかでも「富士山三大噴火」と呼ばれる「延暦の大噴火」「貞観の大噴火」「宝永の大噴火」が有名です。特に1707年の「宝永の大噴火」は大規模で、噴煙とともに大量の火山灰が東京(当時の江戸)まで降り注ぎ、房総半島まで被害が及んだという記録も残されています。そしてこの宝永の大噴火を最後に、富士山の火山活動は休止しています。
【富士山は今後噴火する可能性がある?】
富士山は以前「休火山」に分類されていましたが、1960年代に見直しが行われ、過去に数多くの噴火の歴史をもつ火山を「活火山」に変更しています。富士山は火山活動が完全に終わっているわけではなく、この先いつでも噴火する可能性がある山だということです。

富士五湖は富士山の噴火でできた?富士五湖誕生の歴史

【溶岩流が川をせき止めてできた河口湖と山中湖】
世界遺産富士山の構成資産として有名な富士山麓の観光名所「富士五湖」も、富士山の噴火により形成されたと言われています。「河口湖」は新富士火山の度重なる噴火活動により川に溶岩が流れこみ約5千~2千年前に誕生、また「山中湖」は、鷹丸尾溶岩流が川をせき止め西暦937年に誕生したとされています。
【西湖・精進湖・本栖湖は1つの大きな湖だった】
西湖・精進湖・本栖湖は、もとは「古せの湖」という一つの大きな湖でしたが、富士山の噴火活動により、「本栖湖」と「せの湖」に分断されました。その後、貞観の大噴火で現在の青木ヶ原樹海一帯に溶岩が流れ出た際、せの湖が分断され「西湖」と「精進湖」になり、現在の3つの湖になったとされています。

霊峰富士の富士山信仰について

昔から富士山は人々の信仰の対象とされてきました。その起源は、富士山の度重なる火山活動に怒る神の姿を重ね、神仏が宿る山として崇拝するようになったと言われています。富士山を遠くから仰ぎ見て崇拝する「遥拝(ようはい)」にはじまり、噴火活動がおさまった平安時代末期には頂上まで富士登山する「登拝(とはい)」へと信仰の形が変わります。山中で修行する修験道の場として多くの修験者が富士山頂を目指しました。江戸時代になると「富士講」という民衆信仰に発展し、富士山への信仰心は現在まで受け継がれています。
【富士山に由来する神様】
富士山本宮浅間大社には「コノハナサクヤ姫」が祀られているとされています。火難除け、安産のほか、農業、織物業などに関する御祭神と言われています。
【富士山信仰をもっと知るなら「ふじさんミュージアム」】
富士山信仰についてもっと詳しく知りたいなら、富士吉田市にある博物館「富士山ミュージアム」を訪れてみましょう。富士信仰を中心とした富士山の歴史について、様々な書籍や資料がそろっています。また、アニメーションやプロジェクションマッピングを用いた展示で、子供から大人まで楽しめる施設です。

住所:山梨県富士吉田市上吉田東7-27-1
電話:0555-24-2411
営業時間:9:30~17:00
定休日:火曜日

富士山が芸術に与えた影響

【「万葉集」にも登場する、文学作品の中の富士山】
富士山の美しさは多くの芸術家にも影響を与え、その姿は芸術作品の中にもしばしば登場します。
文学作品では、日本最古の歌集「万葉集」の中にも富士山を読む句が存在し、「竹取物語」や「伊勢物語」などの物語の中にも、物語の重要な要素として登場しています。
【「富嶽三十六景」をはじめ、絵画の中の富士山】
絵画の中にも富士山を描いた作品が存在しています。有名なのは江戸時代、葛飾北斎によって描かれた「富嶽三十六景」でしょう。これ以外にも富士山を描いた作品は多く、歌川広重の「東海道五拾三次」などこれらの浮世絵は、海外にも輸出されモネやゴッホなど多くの西洋画家に影響をあたえました。昔から今日に至るまで日本を代表する美しさ・魅力を持った山だと認識されていることが分かります。
【芸術の中の富士山を見るなら「河口湖美術館」】
河口湖の北岸にある「河口湖美術館」は、富士山に関連した絵画を中心に多くの作品を展示している美術館で常設展以外にも富士山写真大賞やワークショップなど、時期ごとに様々なイベントを開催しています。芸術の中の富士山に出会える美術館なので、一度訪れてみてはいかがでしょうか。

住所:山梨県南都留郡富士河口湖町河口3170
電話:0555-73-8666
営業時間:9:30~17:00(最終入館16:30)
定休日:火曜日(祝日、6~8月、年末は除く)

富士山が世界遺産に登録されるまでの道のり

【「自然遺産」を諦め「文化遺産」へ…登録までの長かった道のり】
富士山は2013年6月に世界遺産に登録されました。この世界遺産登録までの道のりにも長い歴史があります。
富士山は当初「世界自然遺産」として世界遺産登録を目指していました。しかし富士山は登山者や観光客の多い山であり、様々な問題が解決しないことから世界自然遺産への登録を断念しました。
その後注目されたのが、先に紹介した「富士山信仰」や「芸術作品」だったのです。信仰の対象であり、多くの芸術作品に影響を与えた富士山に文化的価値を見出し、ついに「世界文化遺産」として登録を果たしました。
【登録されたのは山体だけじゃない?富士山の「構成遺産」】
世界遺産に登録されたのは富士山だけではありません。富士山が世界文化遺産に登録された正式名称は「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」です。富士山と、文化的価値を有する多くの「構成資産」が世界遺産として登録されました。
富士山の構成資産は、富士山の山体はもちろん、頂上までの登山道や富士五湖、富士山周辺の神社や巡礼地など全部で25か所あります。富士山の構成資産巡りをするのも面白いかもしれませんね。
【富士山の世界遺産登録について学ぶなら「富士山世界遺産センター」】
山梨県富士河口湖町にある「富士山世界遺産センター」では、富士山が世界遺産に認定された文化的価値について、より深く知ることができます。館内のガイドをしてくれるアプリ「ふじめぐり」をスマホにインストールすれば、あの松岡修造さんが展示の解説をしてくれます。

住所:山梨県南都留郡富士河口湖町船津6663-1
電話:0555-72-0259
営業時間:9:00~17:00 (7月~8月 8:30~18:00、12月~2月 9:00~16:30)
定休日:北館 無休/南館 第四火曜日

いかがでしたでしょうか。富士山は火山としてだけではなく日本の文化や芸術としても非常に歴史ある山です。富士山の周辺に観光に行く際は、富士山の雄大で美しい姿を目に焼き付けるだけでなく、今回紹介した施設で富士山の歴史や文化について学んでみるのもおすすめです。

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もっちー