富士山の麓には、広大な原生林「青木ヶ原樹海」が広がっています。
その名前をご存知の方は多いと思いますが、中に入って観光や散策ができることを知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。

「樹海の魅力や観光について知りたい」
「富士の樹海というと怖いイメージがあるけど観光できるの?」

この記事では、青木ヶ原樹海の魅力や散策コースについてご紹介します。
富士山観光の際に青木ヶ原樹海と一緒に立ち寄れるおすすめスポットやガイド付きツアーもご紹介しますので、お出かけの参考にしてください。
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青木ヶ原樹海とは?

富士山の北西部、富士五湖の西湖、精進湖、本栖湖にまたがって広がる青木ヶ原樹海は、手付かずの自然が満喫できる美しい森です。
その成り立ちは、1200年近く前の864年に富士山が起こした貞観大噴火に遡ります。
噴火で流れた大量の溶岩がまだつながっていたとされる西湖と精進湖を飲み込み、今の形に分断したといわれており、元々の森林を焼き払った溶岩の上に、長い年月をかけて形成された森なのです。
原生林は太古の昔から何万年も息づくものが多いですが、青木ヶ原樹海は富士山の噴火によって一度途絶えた後にできた、歴史的には「若い森」に分類されます。
富士の樹海の中は植物だけでなく生き物の楽園でもあり、生息する鳥類や哺乳類の種類が多いことでも知られています。
小説や都市伝説などから少し怖いイメージも持たれがちですが、遊歩道が整備され、ガイドツアーも開催されているおすすめの人気の観光です。

たとえば富士観光トラベルでは、地元ガイドの案内で青木ヶ原樹海を散策し、天然記念物の「竜宮洞穴」を見学するツアーを開催しています。
最後にどら焼きとコーヒーのおやつタイムもあり、全行程3時間ほどのツアーです。
集合場所も河口湖駅から徒歩2分とアクセスしやすいため、気軽にご参加いただけます。

ツアーの詳細は下記ページよりご確認ください。
→【アクティビティ体験日帰りツアー】青木ヶ原樹海ガイド付きショートハイキング

青木ヶ原樹海の魅力3選

富士山観光で青木ヶ原樹海に立ち寄ったら、どんな楽しみ方ができるのでしょうか。
興味があっても、見どころや楽しみ方を知らないと、旅行の計画も立てにくくなってしまいます。
そこで、青木ヶ原樹海の魅力的なポイントを3つご紹介します。

1.歴史のある大自然を堪能できる

「若い森」とはいうものの、青木ヶ原樹海には1200年近い歴史があります。
人にとっては気が遠くなるような長い時間をかけ、独自の植生を育んできた森が富士の樹海です。
ヒノキやツガなどの針葉樹が多い森ですが、アセビやナラ、カエデなどの紅葉樹も混在しています。
足元には草木や苔が一面を緑色に染め、木漏れ日に反射して美しい景観を見せてくれるでしょう。
生き物の気配も濃く、特に鳥類の繁殖地として知られていて、バードウォッチングをされる方に人気があります。
鳥以外にも小動物や虫類が多種生息していて、じっくり観察したい方におすすめです。

2.天然記念物の富岳風穴・鳴沢氷穴が楽しめる

富士の樹海の中には溶岩が形造った洞穴が点在しています。
中でも天然記念物に指定されている富岳風穴と鳴沢氷穴は、ぜひ観察してほしいスポットです。
夏でも溶けない氷の世界と、ダイナミックな景観を楽しむことができます。
富岳風穴と鳴沢氷穴には異なった特徴があり、横穴型の富岳風穴は小さな子どもでも歩きやすいなだらかな傾斜が続きます。
一方の鳴沢氷穴は竪穴型で、段差や階段も多く、変化に富んだ起伏の多い地形は大自然の険しさを感じさせてくれるでしょう。
どちらの洞穴も見学ルートが整備されていて、氷柱や溶岩だな、縄状の溶岩などがライトアップで美しく輝いています。

3.紅葉台から富士山と樹海の絶景が楽しめる

絶景を楽しみたい方には、樹海の東側にある紅葉台がおすすめです。
展望台からは富士山の美しい姿と裾野に広がる樹海が一望できます。
360度のパノラマ展望が楽しめ、西湖や精進湖、本栖湖も眺められる絶景ポイントです。
紅葉台という名前の通り紅葉が美しい場所としても人気があり、10月下旬から11月ごろまでは周囲のモミジやナラが鮮やかに色づきます。
紅葉台の展望台があるレストハウスまで登る道は未舗装のため、歩きやすい靴でお出かけください。

青木ヶ原樹海の主な散策方法

青木ヶ原樹海には、散策のための遊歩道が整備されています。
樹海の中には、「東海自然歩道」と呼ばれる東京の高尾から大阪の箕面まで続く長大な自然遊歩道の一部が通っていて、それを利用したコースやその周辺を散策できるルートがあります。
ルートの取り方によって、見られるものや所要時間が変わってきますので、好みに合わせた散策が可能です。
ここでは、代表的なルートを2つご紹介します。

1.「西湖コウモリ穴前(西湖ネイチャーセンター)」から散策する

まず1つ目のおすすめコースは、西湖ネイチャーセンター前からスタートするコースです。
スタート地点までは富士急行線の河口湖駅からバスで30分程で到着できます。
西湖ネイチャーセンターには駐車場もありますので、マイカーで訪れることも可能です。
樹海散策の前に、隣接している天然記念物の西湖コウモリ穴を見学してみるのもおすすめです。
散策コースはおおよそ1時間半ほどの道のりで、鳥のさえずりを聞きながら森林浴が楽しめます。
珍しい植物や多くの小動物を見られるチャンスがあり、道中には溶岩洞穴が点在しているコースです。
途中、「鳥の水飲み場」と呼ばれる小さな湧水と散策路の分岐があって、西湖湖畔や野鳥の森、富岳洞穴方面に進めるようになっています。
西湖方面を選ぶと、湖畔の根場浜まで到達でき、ゴール地点から望む湖越しの富士山の眺めが最高です。
西湖ネイチャーセンターからは、有料のネイチャーガイドツアーも開催されています。
ガイドの豊富な知識を学びながら歩くと、また違った楽しみ方ができます。

2.「富岳風穴」から散策する

富岳風穴や鳴沢氷穴といったダイナミックなケーブトレッキングを楽しみたいなら、富岳風穴から散策をスタートするのがおすすめです。
青木ヶ原樹海の神秘的な自然と、溶岩が織りなす荒々しい自然を両方楽しめます。
富岳風穴へは、河口湖駅から路線バスや周遊バスが出ていて、30分ほどで到着できます。
こちらも、富岳風穴近くの駐車場を利用できるので、マイカーでのお出かけでも可能です。
富岳風穴や鳴沢氷穴をメインに楽しむなら、ゆっくり歩いて1時間程度の道のりで見学できますし、足を延ばして紅葉台や西湖野鳥の森公園方面にも進めます。
洞穴はどちらも入場料が必要ですが、オンラインのスマホで完結するモバイルチケットも販売しています。
また、富岳風穴には「森の駅 風穴」があり、お土産ショッピングやご当地グルメが楽しめます。
事前予約制にはなりますが、ネイチャーガイドツアーも開催されています。

青木ヶ原樹海を探索する際の注意点

青木ヶ原樹海は国の天然記念物に指定されている森です。
樹海に入る際には、自然環境を破壊してしまう恐れのある行為は避けてください。
山梨県が富士の樹海や県有林に入る際に注意すべき点として、以下を提唱しています。
  • 登山道、遊歩道を外れた箇所には立ち入らない(林内を踏み荒らすことで足下の植物、コケ、樹木の根系、小動物等に影響があります)
  • 森林内において、動植物(樹木を含む)・溶岩・岩石・土壌等一切の自然物の採取・損傷を行わない。
    たき火、野営を行わない。
  • トイレ以外の場所での野外排泄は行わない(万一の必要に備える場合は、携帯トイレを携行するなど、入山者において適切な対応を行ってください)。
  • ゴミは必ず持ち帰る。
  • (引用元:山梨県HP「県有林内へ入山される方へ」

また、東海自然歩道は最小限の整備がされただけのルートです。
落石や倒木の恐れや、天候によっては土砂崩落の危険性もあります。
散策は許された遊歩道から外れずにルート内を歩き、危険を感じた際には引き返すといった危機管理を怠らないようにしてください。
遊歩道を外れてしまうエリアにはロープが張ってある場所もあります。
ロープを超えて進まないよう気をつけましょう。

青木ヶ原樹海に行く際の服装

青木ヶ原樹海散策をする場合は、服装や持ち物にも注意が必要です。
登山ほどの重装備は必要ありませんが、動きやすい服装や歩きやすい靴、帽子を着用することをおすすめします。
服装に関する注意点としては、以下のようなポイントが挙げられます。
  • 滑りづらく歩きやすい靴を履く
  • 動きやすい服装を心がける
  • 帽子をかぶる
  • 雨具を準備する(傘は危険なので避ける)
  • 黒っぽい服や香水・整髪料など匂いの強いものをつけない(スズメバチ誘引の恐れ)
  • 荷物はリュックに入れ、両手を空ける

また、富岳風穴や鳴沢氷穴、コウモリ穴などの洞穴に入る場合は、ヘルメットを着用しましょう。
入場時に貸し出しがあるので利用してください。
洞穴内は通年、気温が0〜4度程度です。
特に夏場のお出かけでは、長袖の羽織るものや防寒できる上着の準備をおすすめします。

富士山観光に行ったら立ち寄りたいおすすめ周辺スポット3選

青木ヶ原樹海の散策は、富士山周辺へお出かけの際に、ぜひおすすめしたい魅力的なスポットです。
樹海散策や富士五湖など、たくさんの観光スポットや自然を楽しめる絶景ポイントが点在していますので、お好みの組み合わせで観光してみてはいかがでしょうか。
ここからは、富士山・富士五湖の周辺を観光する際に一緒に立ち寄ってほしいおすすめのスポットを3つご紹介します。

1.西湖野鳥の森公園

樹海散策の出入り口にもなっている西湖野鳥の森公園は、樹海の雰囲気を味わいながら、バードウォッチングが楽しめるスポットです。
園内には望遠鏡が備わったバードウォッチングのための施設や、樹海ギャラリーがあり、樹海に暮らす生き物の写真や資料をじっくり見学できます。
四季折々の楽しみ方ができるスポットで、春には桜が咲き誇る風景、秋にはナラやブナの紅葉がとても美しい場所です。
冬には樹氷まつりが開催され、凍てつく空気の中で氷の芸術を堪能できます。

西湖野鳥の森公園

  • 住所 山梨県南都留郡富士河口湖町西湖2068
  • 料金 無料
  • 営業時間 9:00〜17:00
  • 定休日 木曜日
  • 駐車場 普通車40台
  • アクセス
  • 【車】中央道河口湖ICから約20分
  • 【公共交通機関】富士急行線河口湖駅よりバスで西湖野鳥の森公園バス停下車

2.富士眺望の湯ゆらり

富士山周辺は温泉が楽しめるリゾートでもあり、富士五湖周辺には温泉旅館やホテルが立ち並んでいます。
日帰りやキャンプなどでホテルを利用しない方でも楽しめるのが、日帰り温泉施設「富士眺望の湯ゆらり」です。
河口湖駅から送迎バスが利用できるので、電車など公共交通機関でのお出かけでも気軽に利用できます。
内湯も露天風呂もどちらからでも雄大な富士山の姿を間近に見ながら入浴でき、樹海散策の疲れをほぐすのにもおすすめです。
館内には食事処もあり、お風呂上がりにゆっくりとご当地グルメを味わえます。

富士眺望の湯ゆらり

  • URL https://www.fuji-yurari.jp/
  • 住所 山梨県南都留郡鳴沢村8532-5
  • TEL 0555-85-3126
  • 料金 大人:平日1,400円、土日祝日1,700円 子ども:平日750円、土日祝800円
  • 営業時間 平日10:00〜21:00(土日祝は22:00まで)
  • 定休日 年中無休
  • 駐車場 130台
  • アクセス 
  • 【車】中央道河口湖ICより車で約10分
  • 【公共交通機関】富士急行線河口湖駅より無料送迎バスあり    

3.ふじてんリゾート/ふじてんスノーリゾート

家族や友達同士で楽しくアクティブに富士山を楽しみたい方には、ふじてんリゾートがおすすめです。
ゴールデンウィークから秋にかけてはマウンテンバイクやグラススキー、サバイバルゲーム、様々なアクティビティが楽しめ、冬季はスキー・スノボで気持ちよく汗を流せます。
もちろん富士山を眺めながら過ごせる場所ですので、絶景の中で遊びたい方にぴったりです。
アクティビティだけでなく各種スクールも開催しているので、バイクやスキーを始めたいと思っている初心者の方にもおすすめできます。
サマーシーズンには芝生が広がるゲレンデでバーベキューが、ウィンターシーズンにはセンターハウスとゲレンデ中腹など合計3カ所のレストランがあり、富士山を見ながら食事が楽しめます。

ふじてんリゾート/ふじてんスノーリゾート

  • URL
  • https://www.summer.fujiten.net/ 
  • https://www.fujiten.net/
  • 住所 山梨県南都留郡鳴沢村字富士山8545-1
  • TEL 0555-85-2000
  • 駐車場 普通車2,500台
  • アクセス
  • 【車】中央自動車道河口湖ICから車で約20分
  • 【公共交通機関】富士急行線河口湖駅よりバスで約20分(無料送迎バスあり)

まとめ

暗く鬱蒼としたイメージを持たれがちな富士山の青木ヶ原樹海ですが、実際に散策してみると、美しく時に荒々しい自然をダイレクトに感じることができる貴重な場所です。
多様な生物のゆりかごでもあり、可愛らしい鳥たちや、珍しい植物などを間近に見ることができ、非日常の喜びや、森林浴を満喫できます。
富士山周辺には、絶景やグルメ、温泉などおすすめのスポットがたくさんあります。
富士五湖や富士山周辺への旅行を計画する際は、ぜひこの記事を参考に青木ヶ原樹海も散策してみてください。
青木ヶ原樹海を散策される際には、動きやすい服装や靴を選び、周辺の環境に配慮いただくとともに、樹海から持ち帰っていいものは、思い出と写真や動画だけです。
天然記念物である貴重な環境を守るために、樹海内の石や植物などには不必要に触らないようお願いいたします。

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眼前に広がる雄大な富士山の眺めを楽しめる日帰り温泉です。開放感抜群の「霊峰露天風呂」や溶岩洞穴を模した「洞窟風呂」など、富士山の眺望と趣向を凝らした16種類のお風呂が楽しめます。

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ライター紹介

富士観光開発(株)