山梨県には、甲州印伝をはじめ、歴史ある伝統工芸品がたくさんあります。富士山の麓、河口湖周辺にも山梨県に指定された伝統工芸品が作られていますよ。

今回は河口湖で手に入る山梨の伝統工芸品を紹介します。山梨の工芸品は見た目の美しさと機能性を兼ね備えたものが多く、お土産としてプレゼントすると喜ばれますよ。ぜひ河口湖に来た際のお土産選びの参考にしてください。
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山梨県の伝統工芸品

【山梨県の伝統工芸品一覧】
山梨県には、「山梨県郷土伝統工芸品認定要綱」に基づいて指定された12品目の伝統工芸品があります。昇仙峡から水晶の原石が発見されたことを起源とする水晶細工や、インドの装飾革が由来とされる革製品の甲州印伝など、伝統的でありながら日常生活の中で利用しやすい工芸品が多く選ばれています。
山梨の工芸品の一覧は以下の通りです。

〈甲州貴石細工〉〈甲州印伝〉〈甲州雨畑硯〉
〈甲州大石紬〉〈甲州手彫印章〉〈甲州武者のぼり・鯉のぼり〉
〈西島手漉和紙〉〈親子だるま〉〈甲州鬼瓦〉
〈市川大門手漉和紙〉〈山梨貴宝石〉〈富士勝山スズ竹工芸品〉
【河口湖周辺が産地の工芸品は2種類】
これら12品目の中で、河口湖周辺を主な産地とするのが「甲州大石紬」と「富士勝山スズ竹工芸品」の2品目です。大石紬は河口湖北岸の大石地域に、スズ竹工芸品は南岸の勝山地域に古くから伝わる工芸品です。この2品目を含め、河口湖で手に入る工芸品について詳しく紹介していきます。

河口湖の大石地域に伝わる伝統的な織物「大石紬」

【大石紬とは】
大石紬は、養蚕業が盛んだった大石地域に江戸時代から続く紬織物です。
大石紬には、蚕の繭を煮て水中から繰り出した「座繰り糸」が使われています。特徴は経糸(たて糸)と緯糸(よこ糸)にそれぞれ違う繭の糸を使用していること。これにより滑りの良さと丈夫さを兼ね備えた軽く柔らかな織物となります。
【大石紬の商品が買えるお店「大石紬伝統工芸館」】
大石公園のすぐ道向かいにある「大石紬伝統工芸館」では、大石紬の藍染め商品をはじめ、様々なシルク商品を販売しています。就寝時に使用するソックスや手袋、美容効果のある美顔パフなど、女性に特にうれしい商品も多数。カジュアルなものからワンランク上のお土産まで揃っています。
【大石紬伝統工芸館には体験教室も】
大石紬伝統工芸館では体験教室も開催しています。繭を使用した動物小物をつくったり、ハンカチやシルクスカーフの草木染めを体験することができます。事前予約が必要ですが、紬織の産地だからこそできる貴重な体験で、自分で作った小物やスカーフは世界で一つだけのお土産になります。興味がある方は訪れてみて下さい。

実用性の高い勝山地域の工芸品「スズ竹細工」

【勝山のスズ竹細工とは】
勝山のスズ竹細工は、富士山の二合目付近に自生している「スズ竹」を使ってつくられたザルなどの工芸品です。原材料となるスズ竹はしなやかで香りが良いのが特徴で、この竹を細かく編み込んでつくられた勝山のスズ竹工芸品は丈夫で長持ちします。実用性に優れているだけでなく、見た目の美しさからインテリアとしても人気があります。
【スズ竹細工を購入できる「道の駅かつやま」】
スズ竹を使った工芸品を購入するなら、「道の駅かつやま」を訪れてみましょう。ザルやかごなどの商品が並んでいますよ。職人が一つひとつ手作りしているため、作り手によって微妙に商品に違いがあるのもスズ竹細工の面白いところ。並んでいる商品には作成者のタグも付いているので、じっくり見比べて気に入った商品を購入しましょう。
【「富士河口湖町勝山スズ竹伝統工芸センター」で制作体験も】
「富士河口湖町勝山スズ竹伝統工芸センター」では、中皿づくりのザルの側面を編み込む「胴あみ」~完成までの作成を体験することができます。古くから伝わる竹加工を実際に体験することで、その繊細さや職人たちの技術力の高さをより実感することができますよ。
工芸センターでは完成品のザルなどの即売も行っています。製作体験をしたい方だけでなくお土産としてスズ竹の工芸品を購入したい方も足を運んでみて下さい。

山梨県の伝統工芸といえば「甲州印伝」

【甲州印伝とは】
甲州印伝は、柔らかく丈夫な鹿革に漆で模様を施した山梨を代表する革工芸品で、山梨県だけでなく国の伝統工芸品にも指定されています。財布や名刺入れなどの商品に使用され、非常に長持ちし使えば使うほど手になじむのが特徴です。ライターの私も名刺入れと小銭入れを愛用しています。
【商品の種類も豊富】
甲州印伝を使用した商品は種類が豊富で、先ほど紹介した財布や名刺入れのほかにも、ペンケースや印鑑ケース、キーホルダー、ポーチ、ポシェットなど様々です。また、模様も松やトンボといった落ち着いたものから、バラやコスモスといった華やかなものまでたくさんの種類があります。お土産にするときは送る相手にピッタリの商品が見つかりますよ。
【甲州印伝を買えるお店「しるし」】
「富士大石ハナテラス」の中にあるお店「しるし」は、甲州印伝をメインに取り扱うお店です。小物を中心に様々な印伝商品が並びます。また、店名の「しるし」にちなんでハンコの販売もしているほか、富士山モチーフの雑貨なども置いています。

ハタオリの町として有名な富士吉田市の織物もおすすめ

【富士吉田の織物とは】
富士吉田はハタオリの町として知られています。農業に不向きな土地で養蚕に力を入れていたことが起源とされており、山梨県の伝統工芸品には指定されていませんが、富士吉田の織物も伝統ある工芸品の一つです。
吉田の織物は、細い絹糸を高密度で編み込むことによって手触りの良さと複雑な模様の表現を実現しています。また、糸の状態で染色する「先染め」という技法を用いることで、発色が良く色落ちしにくいのも特徴です。
富士吉田市では毎年10月に「ハタオリマチフェスティバル」というイベントでは、地元や全国の織物が集まるマーケットやワークショップが開かれ、吉田の織物の魅力を肌で感じることができますよ。
【オリジナルの御朱印帳作り体験ができる】
富士吉田には機織りの工場や織物を扱うお店がいくつもあります。「LIFE STYLE SHOP ALT STYLE」では、金糸を用いた華やかな生地「金襴緞子(きんらんどんす)」を使って御朱印帳をつくることができます。富士吉田には「北口本宮冨士浅間神社」など神社が多くありますので、オリジナルの御朱印帳をつくった後に御朱印集めをするのも楽しいですよ。

いかがでしたか?山梨県、河口湖周辺で手に入る伝統工芸品は美しく実用性が高いので、プレゼントすると喜ばれますよ。甲州印伝など有名なものは、直営店以外にも各地のレジャー施設や宿泊施設で販売されていることがあります。河口湖でいつもと違ったワンランク上のプレゼントをお探しの方は、ぜひ山梨の伝統工芸品をチェックしてください!

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ライター紹介

富士観光開発(株)