富士山について

まずは登山シーズンや登山口など、基本的な情報をご紹介します。
富士山の登山シーズンは7月~9月
富士山の開山期間は例年7月上旬から9月上旬ごろまでとなります。
詳しい開山日は登山ルートごとに少しずつ変わり、2023年は以下のとおりです。
・吉田ルート(山梨県側):7月1日(月)
・須走・御殿場・富士宮ルート(静岡県側):7月10日(水)
例年、山梨県側が先に開山し、その翌週頃に静岡県側が開山します。
なお、閉山日は全登山ルート共通で、2024年は9月10日(火)です。
シーズン初めに登る場合は、登山ルートによって開山日が変わるため、自分の登るルートの開山日を確認しておくことがおすすめです。
2024年富士山の登下山道で入山規制

山梨県側の吉田ルートでは、16:00~翌日3:00まで登山道の入口ゲートを閉鎖し、山小屋宿泊者等以外は夜間者の通行規制を実施します。
また、1日の登山者が4,000人に達した際にも規制がかかりますのでご注意ください。
登山道の通行料の徴収等も実施されますので、富士登山を計画されている方は「富士登山オフィシャルサイト」や両県のホームページなどで詳細を確認することをおすすめします。
「富士登山オフィシャルサイト」2024年の対応についてはこちらから→
富士山の標高は?
富士山の標高は3,776m、この3,776mは富士山の最高峰である剣ヶ峰の標高を指しています。
富士登山をすればゴールが剣ヶ峰だと思いがちですが、登山ルートによっては剣ヶ峰から離れた位置に登頂することになり、剣ヶ峰まで達するにはさらに山頂を周らなくてはなりません。
ちなみに各登山口(五合目)の標高は以下のとおりです。
・吉田口:2,300m
・富士宮口:2,400m
・須走口:2,000m
・御殿場口:1,450m
富士山の天気について

ここからは、富士山の夏の気温についての基本知識や、気象状況について紹介します。
富士山の夏の気温とは
理論上は、標高が100m上昇するごとに、気温は0.6℃下がります。
このため、富士山の山頂である3,776m地点では、山麓よりも22℃〜23℃ほど低いということになります。実際は天候や風の影響もあり、富士山の夏場の平均気温は8月でも6℃〜7℃程度と一桁台で夜間はもっと寒くなります。
年間平均気温が-7.1℃ととても低く、真夏でも寒さ対策が欠かせません。
富士山五合目と山頂の天気の違い
登山ルートのスタート地点は富士山五合目ですが、夏でも涼しい環境です。
登山シーズンとなる夏では、山麓で30℃近い暑さがあっても、五合目では15℃〜16℃程度です。
そして、山頂の気温は前述の通り、6℃〜7℃程度ですので、登山開始から登頂までの間に大きな気温差が生じることになります。
また、標高が高くなるにつれて風の影響も受けますし、夜間はさらに気温が下がります。
注意したい天気や気象情報とは
富士山の天気は変わりやすいのが特徴です。
山麓から眺めていても、晴れているのに富士山の周辺には雲がかかり、山体がよく見えないという経験をした方もいるかと思います。
ここからは、富士登山の際に気象条件で気を付けておくべきポイントをご紹介します。
【雨や雷】
富士山では強い風が吹くことが多く、雨が降るとその雨を巻き上げます。
まるで下から雨が降ってくるようなこともあり、雨具は風を防げるツーピースタイプの雨具を持っていくことが必須です。
さらに、雷が鳴るような天候では逃げ場がなく危険です。
天気予報をしっかりチェックして、雷が鳴りそうであれば登山を中止するという選択も必要でしょう。
登山中に雷雨に遭遇してしまった時は、可能な限り山小屋に身を寄せるなどして安全を確保してください。
【台風】
普段から台風並みの風が吹くこともある富士山ですので、台風接近時には立っていられないほどの暴風となります。
風が体に当たると、風速が秒速1mごとに体感温度を1℃下げるともいわれており、低体温症や疲労凍死のリスクが高まります。
さらに、台風が接近する場合は山小屋やトイレなども閉鎖され、逃げ場もありません。
台風接近時には登山は中止しましょう。
台風通過後も、進路によっては吹き返しの風で大荒れになることもありますので、気象情報はしっかりチェックしましょう。
【雪】
富士山の登山シーズンである真夏でも、万年雪が残っていたり、気温が下がり雪が降ることがあります。
富士山に一番雪がない時期は、夏の終わりの9月ごろのみで、雪がない富士山というのはとても期間が短いです。
開山期間中の登山であれば、あまり心配する必要はありませんが、雪が降ることもあるくらい寒いということを忘れずに備えを万全にしてください。
【噴火】
富士山は活火山であるということも忘れてはならないポイントです。
活火山である以上、突発的に噴火するかもしれないというリスクがあります。
登山時にはヘルメットやマスク、ゴーグルなどを準備することをおすすめします。
また、登山前には噴火警戒レベルも確認しておきましょう。
登山中に警戒レベル引き上げがあった場合などは、直ちに下山してください。
富士山に登る際は服装や装備をしっかり!

しかし富士山は日本一高い山であり、きちんとした登山装備を準備して臨む必要があります。
服装については防寒対策はもちろんのこと、ハードな登山道で汗をかくこともありますので、速乾性のあるインナーも大切です。
雨や風に備えるために、丈夫なツーピースタイプのレインウエアも必須になります。
靴も登山靴があれば安心ですし、意外なところでは山小屋のトイレで使う小銭も準備しましょう。
最低限準備しておきたい装備や服装を簡単にまとめると、以下のようになります。
【服装】
速乾性インナー、レインウエア、防寒ウエア、帽子、軍手やグローブ、タオル、靴下
(インナーや靴下などは着替えもあると安心です)
【登山道具】
リュックやザック、雨用のザックカバー、ヘルメット、ヘッドランプ、電池類、登山靴かトレッキング、シューズ、水筒、時計、ルートマップ
【食品・薬品】
飲み水、行動食、救急セット、健康保険証、日焼け止め、常備薬、酸素缶
【その他】
携帯電話、使い捨てカイロ、お金(特に小銭)、トイレットペーパー
山小屋泊で宿泊することを考え、洗面用具や着替えを入れるビニール袋など、宿泊に必要なものもあわせて用意しましょう。
普段から登山に慣れている人であれば、すでに必要な装備は揃っているかもしれませんが、初めて富士登山をするという方の場合は、レンタル品を利用するという方法もあります。
とくにザックや登山用のレインウエアなど、普段使わない装備に関しては、今後登山をする頻度を考慮して借りてしまうのもよいでしょう。
ただし、靴に関しては、足に合わないと事故の元にもなりかねませんので、自分に合ったものを購入することをおすすめします。
富士山にマイカーで行く際に注意したいこと

そのため、意外と大荷物で向かうことになり、電車などの公共交通機関で行くのはちょっと大変だと感じる方もいるでしょう。
できればマイカーなど車に荷物をのせて富士山の登山口まで乗り付けたいところですが、実は登山シーズンの富士山はマイカー規制を実施しています。
マイカー規制期間中は富士山五合目の駐車場は使えません。
山麓の駐車場からシャトルバスに乗り換えて五合目まで向かう必要があります。
マイカー規制期間中に使える駐車場はいくつかありますが、代表的な「富士山パーキング」をご紹介します。
富士山パーキング

五合目へのシャトルバスが運行しているだけでなく、富士山周辺のレジャーや温泉施設を紹介する観光案内所も併設しています。
観光案内所内では、周辺施設の割引券も配布していますので、登山以外にも楽しみ方が広がるスポットです。
富士山パーキングに車を停めて、富士山登頂を無事達成したら、周辺の温泉などでゆっくり疲れを癒すというのもおすすめです。
富士山パーキング
- 住所 山梨県富士吉田市上吉田字剣丸尾5597-84(東富士五湖道路富士吉田IC東隣)
- TEL 0555-72-9900
- 施設案内 駐車場(駐車台数1,400台)、観光案内所、トイレ
- 営業時間 4月1日~11月30日 9:00~17:00 ※マイカー規制中は24時間、観光案内所は18時までの営業
- 駐車料金 マイカー規制期間中のみ自動車1台1回につき1,000円(二輪自動車125cc超を含む)その他期間は無料
- WEB https://www.fujisanparking.jp/

大変な思いをして登った富士山頂の景色は、きっと忘れられないものとなるでしょう。
富士登山に必要な装備や、登山ルートごとの特徴などはこのサイトでも詳しく解説している記事がありますので、参考にしてください。
「富士山の登山に最適な服装は? 富士登山するなら知っておきたい装備」
「富士山の登山ルート4つと秘密ルート! 魅力や難易度を紹介」
無事に富士登山を終えたら、山麓の温泉でゆっくり疲れを癒すのもおすすめです。
河口湖周辺には富士山が一望できる温泉施設も数多くありますので、湯船で疲れを癒しながらも、富士登山の余韻に浸ってみてはいかがでしょうか。
万全の準備で、富士山の登山を楽しんでください。